「栂池から白馬岳」 (第1回北アルプス遠征・1日目) 12年 8月 4日(土)〜6日(月) |
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国土地理院地形図 : 25000分の1 「白馬岳」、「白馬町」 ご同行及び撮影協力 : alfonsさん 〜 はじめに 〜 このたび遂に長年温めていた信州への遠征山行を実行しました。 信州の数多ある山の中で行き先が白馬となったのは、やはり八方尾根への遠征スキーの影響です。 スキー場上部の八方池山荘前からは白馬三山が一望でき、強く心を動かされました。 また、今回の行程を決定付けたもう一つの動機は、NHKのSPドラマ「坂の上の雲」のエンディングの尾根を歩くこと。 下調べをしていくうちに、白馬三山と一まとめに歩けることが分かり、自然発生的に行程が決まりました。 そして同行の友人alfonsさんにとっては、5月より六甲で事前トレを重ねてきた集大成でもあります。 初の遠征山行、さらにパーティー山行という点においても、自分にとって実に中身の濃い充実した経験となりました。 今回の山行は2泊3日にわたるものですので、レポも1日ずつに分けて掲載していくこととします。
8月 3日(金) 夜まで普段どおり仕事でした。帰宅時まで祈る思いだったが、今日はJRも正常運行で安堵する。 22:30 自宅出発。3ヶ月ぶりの信州への長距離ドライブ。阪神高速を通ってalfonsさん宅へ。 23:40 alfonsさんと合流。名神、中央道、長野道を経て一路白馬へ。 8月 4日(土) 6:00頃 栂池高原到着。冬季も滑走したことがないので、栂池に来るのは初めてとなる。 今日は天気予報どおりに稜線上の山々もよく見える快晴!!! 明日からは雲が増えてくる見通しであり、今日の晴天は非常に貴重なものとなるはず。 alfonsさんはもちろん、自分も夏に信州に来るのは初めてであり、山々を見上げて登る前から心が躍る♪ ゴンドラ駅最寄の駐車場は有料。10分程度歩く必要があるが、無料の第2駐車場に車を停める。 まずは栂池パノラマウェイ(ゴンドラ、ロープウェイ)にて標高1,850mに位置する栂池自然園を目指す。 栂池パノラマウェイは夏季繁忙期ということで6:30より営業開始。 営業時間は期間によって細分化されており、【白馬観光開発梶zにて要確認だ。片道は1,720円。 ゴンドラ駅脇にて予め用意※の登山届を提出する。
まずはゴンドラとロープウェイにて空中散歩をする間に、1,000mほど標高を稼ぐ。 6:40 栂池ゴンドラリフト、栂池高原駅(スキー場最下部)出発 |
行程概要 (山中のルートは不正確です)![]() 全行程道標完備。さすが北アルプスでした。でもペース配分や先読みは どこであっても必須と思います。地形図と「山と高原地図」を携行すると快適です。 基本的に午後は天気が崩れる傾向があるので、早発、早着でプランニングを。 こんなことを書いていますが、今回はセオリー通りに歩けていない面もありますが・・。 今回は都合4日間の休日を確保出来たことから、元々は初日は白馬大池山荘泊、 2日目で白馬山荘泊と設定していました。ところが行程後半に天候悪化の見通しがあり、 初日で白馬山荘まで到達してしまう長丁場の行程に変更することとしました。 これはガイドブックでも紹介されているプランニングではありますが、 初の北アルプス遠征だった自分にとってややオーバーワークだった感があります。 |
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栂池パノラマウェイから見る白馬三山、そして小蓮華山 ゴンドラが駅から飛び出すとすぐにこの光景が広がって、早くも2人共ヒートアップ! 栂池スキー場下部の緩斜面の向こう、稜線上にはこれから縦走していく山々が一望出来る。 ゴンドラの乗車時間は20分(それだけスキー場が大きいということでこれも感動!!)、 途中から乗り換えるロープウェイの乗車時間は5分。 始発近くの時刻で乗車しても、栂池自然園に辿り着くまでにそこそこの時間が必要になる。 白馬大池泊であればまだのんびり出来るが、今回のように白馬山荘まで歩くとなると、栂池自然園まで極力スムーズに 辿り着かなければいけない。今回、自分はこの点で多少甘さがあったことをこの後知ることとなる。 ゴンドラリフト・栂の森駅からロープウェイ・栂大門駅への乗換えは徒歩数分。 この辺りで既に標高は1,570m+。日向は暑いものの日陰では涼しく、明らかに下界とは空気が違う! 無論、蒸し暑くてバテた六甲とは別世界だ!! ロープウェイは基本的に立ち乗りだがあっという間に終点の自然園駅(1,820m)に到着。 トイレを済ませてから緩い登りの遊歩道で栂池自然園ビジターセンターへ向かう。 |
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7:41 栂池自然園ビジターセンター横の登山口出発 (1,850m) 栂池自然園ビジターセンター横がようやく登山口となる。 栂池自然園(大人300円)は1周約3時間半もの高層湿原で、白馬三山の展望や湿原風景など見どころ豊富。 ここもいずれ機会を見つけて必ず歩いてみたいと思っているが、今回はここから一路、白馬岳と白馬山荘を目指すこととする。 それにしても白馬岳までの所要時間は7時間30分。稜線上の山小屋に到着するには遅い気がするが、今日の天候ならばどうにかなるだろうか・・。 栂池から1日で白馬山荘を目指す場合は、理想をいえばビジターセンターすぐ側の栂池ヒュッテで前夜泊するべきと思う。 とにかく、ここから念願の北アルプスでの山歩き開始だ。 今日の行程前半は、まずビジターセンターの屋根の向こうに見えている乗鞍岳を目指す。 途中、天狗原を挟んで2つ大きな登りがある。一つめは標高差約350m、二つめは230mくらいだが、等高線はかなり詰まっている。 これまで2ヶ月余り六甲でボッカトレを重ねてきたとはいえ、長距離ドライブで寝不足の状態で普段より重い荷を担いでいきなり気合を入れなければいけない。 3日間の行程を見渡しても、登り初めのここが大きな山場となるだろう。 |
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ビジターセンターからの登り始めは心地良い森歩き 最初は小さな谷を渡って、天狗原への山腹に取り付く。 日陰では本当に心地良い空気で爽快だ。小休止するときも日向を避ければ快適。 天狗原への登りはジグザグに整備された快適なトラックが続く。 等高線が詰まっている山腹だが、急坂というようなところは殆どなかった。 ボッカトレがやや不足気味のalfonsさんのペースに気を配りつつ、実に調子良く高度を上げていく。 |
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7:50 栂池自然園と白馬三山方面の景観 最初は基本的に樹林の中を登るが、まもなくこの展望が開けてきていきなり感動させられる! 白馬岳がちょっと隠れ気味だが、明日歩く予定の二峰は完璧にクリアに見えている。 八方尾根から見上げてきた白馬三山だが、これから実際に踏むことを考えるだけでワクワクしてくる。 |
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8:04 上方に天狗原の平らな稜線が見えてくる。 周囲の木々の上方にはこれから向かう天狗原の稜線が見えてくる。 北アルプスでは普段の山行と違って、目的地がいつも見えているような状態が多い。 これが開放的な気分をもたらす点は良いのだが、 見えていてもなかなか辿り着かないと感じるような心理的影響を与えることもある。 元々は基本的にalfonsさんと同じペースで歩くことを考えていたが、 登るにつれてそれが段々と難しいと感じるようになってくる。 でもとりあえず天狗原辺りまでは、さほど離れずに共に歩くことが出来た。 |
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8:41 雲海が広がってくる 標高2,000mを越えるところに来たということを感じさせられる景観が広がってくる。 下方には栂池スキー場のゲレンデやロープウェイ駅なども見えていて、登りの行程の進み具合も推し量ることが出来る。 天狗原へ向かうトラックはというと、容易にすれ違えるくらいの幅広の状態が終始続く。 |
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9:18 天狗原の一段下の展望地 登るにつれてジグザグから直登になってくるが、同時に斜度も緩んでくる。 天狗原に乗っかっただろうかと感じてきた頃、小休止に最適な展望地に到着。ここで小休止を入れることとした。 小さいながらも湿原が広がり、その向こうには北アルプスの山々。 今まで雪山状態の北アルプスしか見たことがなかった自分にとって、夏山は本当に新鮮で全く雰囲気が違うと感じる。 雲海の上方は非常に空気が澄んでおり、どこまでも見渡せそうな感じだ。 せっかくなので望遠レンズに交換して遠方の山々を撮影していこう。 alfonsさんも同感で二人して撮影モードに入る。 ちなみに今回の遠征での撮影機材は、一眼ボディは通常山行用にしている30Dではなくて今回は5D-mark2。 常用レンズには17-40・F4の広角ズームと、70-200・F4の望遠ズームの2本体制とした。 でも70-200・F4は使用頻度の割りにその重さ(760g)が堪えるように思う。 でも望遠自体は必要ではあるので、来夏までに何とかして軽量化したい。 初めての遠征、しかもパーティー山行によって、軽量化の点など様々な改善点が見えてきた気がする。 |
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白馬三山のうち、杓子岳と白馬鑓ヶ岳を望む |
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少し遠くには、唐松岳、五龍岳、そして鹿島槍ヶ岳 八方尾根スキー場から見た白馬三山がいざないになったのと同様、周囲の山々もぜひ登っておいでと誘ってくれるようだ。 今までは踏み切れなかったが、来夏以降も信州遠征は外せないイベントになる可能性が高い。 小休止のはずが15分程も滞留してしまった。 この辺りからこのペースでは少し遅過ぎると感じ始めるようになる。 いつものペースでゆっくり撮影していたら、白馬山荘に着くまでに日が暮れてしまうと危機感を持った。 展望地横からは小さな雪田を横切って、天狗原への最後の登りへと向かう。 しばらくは見通しが効かないが、すぐにだだっ広い天狗原へ到着する。 |
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9:43 天狗原(2,190m+) 地形図でも広大な湿地帯として描かれている天狗原に到着。 自分自身、久しぶりのボードウォークを歩いて非日常の雰囲気を満喫した。 ここにはちょっとした休憩スペースもあって、多くの方が小休止をとられている。 一方、天狗原の向こうにはこれから向かう乗鞍岳の全貌が見えてきて、 その詰まった等高線を直に観察することが出来る。 山腹には急坂を歩いている多くの方々が見えて、この後の行程の険しさがイヤでも一目瞭然だ。 本来ならばここでも小休止を取って湿原の草花を楽しむところだが、先程休んだばかりなので先へと急ぐこととする。 |
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天狗原のボードウォークはしばらく続き、段々と乗鞍岳の急坂が近づいてくる 9:50 風吹大池分岐 ボードウォークのまま風吹大池へ向かうトラックが分岐する。 北アルプスだけでもいろんなルートがあって、たまの遠征だけでは歩ききれない気がする。 今すぐには難しいが将来的に条件が揃えば、自分は信州へ転居すれば全て丸く収まるのではと考えている。 |
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10:00 乗鞍岳へ向けて本格的な登り 快適なボードウォークはあっという間に終わり、いよいよ乗鞍岳へ向けて本格的な登りにかかる。 乗鞍岳はかつては火山として活動していたので、その名残と思われるごろごろした巨岩帯を登っていくこととなる。 日陰が少なくて照り返しが強く、また岩の一つ一つが大きいので八艘飛びのような感じで歩かなくてはいけない。 大きいザックはバランスも崩しやすく、乗鞍岳周辺は実際の標高差以上に体力と時間を必要とするように感じる。 この辺りから自然にalfonsさんより少し先行するようになってくる。 本来であればパーティーで共に同じペースで歩くのが理想なのだが、 現状ではそれは自分のペース配分やその他諸々の理由でかなり難しいことが分かってきた。 とはいえ、このまま別行動を取るわけにはいかないので、要所では自分が調整して行程を進めていくことにした。 この辺りから自分一人で写っている写真が増えるのはこのためである。 なお、乗鞍岳は長野県中部にある同名の山と区別するために、これから登るほうは白馬乗鞍岳とも呼ばれる。 白馬乗鞍岳の麓には、行ったことはないが白馬乗鞍スキー場もある。 |
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天狗原、及び北信の山々を眺める 険しい場面が続く乗鞍岳への登りではあるが、振り返ると先程までボードウォークを楽しんだ天狗原が下に広がってくる。 その向こうにはまだ行ったことのない山々が自分を誘ってくれている。 昨日の仕事と、長距離運転の疲れはあっても、素晴らしい光景を次々と見ていれば、全て帳消しにしてくれる気がする。 |
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10:16 残雪が現れ始める 厳しい急登が続く中、斜面には残雪が張り付いているところも現れ始めた。 この日の現状では基本的には雪を避けることも出来たのだが、下り中の団体の方々をやり過ごしたり、 またあえて雪に触れたくなったこともあるが、少しルートから逸れて歩いてみた。 盛夏の8月に雪を踏めることはスキーヤーとして嬉しく感じた。 雪はイメージよりもかなり締まっており、仮にスキーを履けばけっこう滑りそう。 雪の側にいると若干涼しく感じられるものの、照り返しが非常に強い。 仮にサングラスをかけていなければ目を開けられないだろう。 岩場が広がるところにはロープやマーキングがあって、視界不良時にも迷わずルートを辿れるよう工夫がされている。 |
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10:33 乗鞍岳直下の大きな雪渓を通過 しばらく巨岩帯が続いた後、眼前には大きな雪田が広がってくる。 雪田を一直線上に上へと向かっていくが、ロープが張られていて目印になる。 また、多くの方が通過して自然にステップが付けられているので、アイゼンが無くても簡単に登ることが出来た。 少し離れたところの斜度が緩い斜面では多くの方が下山中で、自然に人の流れが分けられている。 雪田の上方は青空が広がってきて、まもなく乗鞍岳山頂に乗っかりそうな雰囲気だ。 |
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雪田を登り終えたところから天狗原方面を眺める 少し遅れてalfonsさんが登ってきているのを時折確認する。 一方、段々と下方から雲が上がってきている様子が気にかかり始める。 昼前近くなってきてまだ乗鞍岳手前というのは、これは行程上問題があると考えなければいけないかもしれない。 これはちょっと行程のペースを速めなければならないのではと、少し心理的に焦りが生じ始めていた。 |
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10:45 乗鞍岳の頂上の一角に到達する 天狗原からの急登がようやく緩んで、遂に乗鞍岳の広大な山頂の北東隅の一角に乗っかった。 ここには三角点があることから、はっきりと現在位置を掴むことが出来る。 トラック外への立ち入りが規制されていることから、三角点へ接近することは出来ず遠巻きに確認した。 乗鞍岳山頂は非常に広大で、摩耶山の掬星台がいくつ入るのかというくらいだ。 殆ど標高差のない平坦なトラックがケルンのある山頂中央部へと向かっている。 alfonsさんはまだ登りの途中のようなので、比較的ゆっくりめに先へと向かう。 |
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広大な乗鞍岳山頂。急登の後なのでほっと一息つける。 |
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11:00 乗鞍岳山頂(2,450m)到着 巨大なケルンのある山頂に到着。ケルンの向こうには行程後半で登ることになる、自分にとって憧れの小蓮華山がその姿を見せてくれている。 山頂の標識は記念写真スポットとなっていて、この掲載の写真も間合いを計って撮影したものである。 標識にある2,436mは先程通過した三角点の標高であり、実際地形図を見ると2,450mくらいと思われる。 ここは行程前半の要所と思われるし、ここでalfonsさんと共に山頂を踏むべく待機することにする。 11:17 alfonsさんと合流し、乗鞍岳山頂を出発 alfonsさんはもう少し休みたがっていたようだが、ここよりしばらく下りが続くことと、 白馬大池までもうすぐなので無理を言って先を急いでいただいた。 六甲縦走の時に下りの間に息を整えた経験を思い出してのことでもあるが、 結果としてこの時の判断が後ほど生きてくることとなる。 |
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11:21 白馬大池が見えてくる ケルンの山頂からまもなくして乗鞍岳の平坦部は終わり、初めて白馬大池が目に飛び込んできた! 大池とその周囲の山々も同時にまとめて見えてきて、高山ならではのコントラスト鮮やかな光景に思わず感動してしまった! ここから赤い屋根の大池山荘までは下りか平坦な区間となるのだが、 自分の予想に反してalfonsさんはペースが上がらない。 重いザックを背負っての巨岩帯歩きでかなり消耗されたようだ。 やむを得ず再び自分が先行して先に大池山荘へ向かうこととする。 |
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白馬大池 爽やかな白馬大池の景観を楽しみつつ、池の北西にある大池山荘へ緩やかに下っていくのだが、 巨岩がごろごろしている非常に足場の悪い区間が続く。おかげで下りにもかかわらずけっこう脚力を使う。 でも巨岩と苦闘しているうちにも段々と大池山荘が近づいてきて、どうにか行程の前半を無事に終えることが出来そうだ。 |
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澄んだ蒼い水を湛える白馬大池。残雪のある対岸の尾根が印象的だ。 この池は、たった今下ってきたばかりの乗鞍岳の火山活動によって形成された堰止湖であるという。 その生い立ちの歴史からか、魚は住んでいないらしい。水は非常にきれいなのだが。 北岸まで降りてくると、あとはほぼ平坦なトラックを通って大池山荘へ。 alfonsさんは少し遅れて乗鞍岳からの下り中。 |
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11:56 白馬大池山荘(2,370m+)到着 赤い屋根と外壁が青空に映える白馬大池山荘に到着。これで今日の長丁場の行程の前半が終了。 小屋の周辺では昼時ということもあって、多くの方々が憩っている。 ここでトイレを済ませたり、売店に寄ってお土産のバッジを買ったりする。 そうこうしているうちにalfonsさんも無事に到着される。 後半の行程も長いので、その前にとりあえず昼食を摂ってエネルギーを充填しておく。 事前のイメージでは、ここは昼前には通過していなければならなかった。 当初の予定ではここで1日目の行程を終了し、あとはフリータイムとなったのだが、 白馬大池でゆっくり過ごすのはまたの機会としたい。 やるべきことを済ませてから、今回は早々に出発することにする。 |
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大池山荘、テント場前のお花畑越しに小蓮華山に通じる尾根を眺める テント場では既に10張りくらいの色とりどりのテントが並んでいる。 自分はまだテントは持っていないが、いずれはぜひテント泊で歩いてみたいと思っている。 これはalfonsさんも全く同感で、テント購入の暁には六甲でテント泊の練習をすることになった。 テント泊はいずれかの楽しみにおいといて、とりあえずこの後の行程を楽しみにして発つことにしよう。 alfonsさんも昼食を摂って、多少は元気になったようだ。 12:24 alfonsさんと共に白馬大池山荘を出発 |
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白馬大池に別れを告げて、一路小蓮華山へ 滞在時間は短くなってしまったが、絶好の好天の元で一層輝いていた白馬大池が魅力的だった。 大池への再訪を心に決めてから、いよいよ憧れの小蓮華山への尾根に取り付く。 白馬大池から小蓮華山までの標高差は約400m。 やや距離は長いが途中の船越ノ頭(2,612m)までは比較的緩やかな尾根が続くよう。 この時間になって大池山荘へ下る方と多くすれ違う。 下りであれば今の時間ならば十分に栂池まで下れるだろうか。 ところで少し不要な物まで背負ってきてしまったalfonsさんのペースが気に懸かる。 長い登りでも何とか今のペースをキープ出来るだろうか・・、と気に懸けながら小蓮華山へ向けて登っていった。 |
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12:37 小蓮華山が大きく見えてくる 白馬大池山荘から始まる最初のひと登りが一段落して、完全に尾根に乗り上げると小蓮華山方面の視界が大きく広がってくる! 自分にとっては「坂の上の雲」の世界が眼前に!!ということでテンションがいやが上にも盛り上がってしまう。 この行程の目的の半分は小蓮華山へ登るためにプランニングしたといっても過言ではない。 今回の遠征に先立ってalfonsさんには事前ミーティングでビデオ予習していただく予定となっていた。 BDに録り溜めている「坂の上の雲」やTV東京の白馬の特集番組、 そしてサンテレビの「山登り大好き」等で気分を盛り上げる予定だったのだがあいにく都合が付かず、 予備知識の無いまま白馬、そして小蓮華山へ来ていただくこととなってしまった。 ということで、やむを得ず復習になってしまうが、alfonsさんには後日ビデオチェックしていただく予定となっている。 とにかく、初めて北アルプスの主稜線に出た!ということでしばらくの間は二人して感動を共有して歩いていった。 |
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右手には雪倉岳遠望 |
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段々と近づいてくる小蓮華山 |
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「坂の上の雲」の尾根へ しばらくは二人で歩いていたが、斜度が増してくるとやはり自分が先行することとなった。 最初のミニピークである船越ノ頭までは標高約200mを稼ぐことになるが、 alfonsさんは午前まででかなり体力を消耗しているよう。 「坂の上の雲」の世界が目前ではあるが、歩きながら自分の頭の中では、 この後の行程のシミュレーションも併せて行う必要があった。 今のままのペースではおそらく白馬山荘へ着くのは夕刻。 午後を過ぎてやや雲が沸いてきたし、最悪の場合は白馬大池山荘へ引き返す可能性も念頭に置かなければならなかった。 でも、まだ決断するには少しタイミングが早いかなということで、しばらくは行程を続行することにした。 今回は自分のペースのことだけを考えていればよい単独行とは違う。 初の北アルプス遠征でいきなり難しい判断を迫られる場面もあるかもしれないと、 憧れの地を目の前にしてではあるが、気を引き締めなければならなかった。 |
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13:09 船越ノ頭(2,612m)到着 今後のプランニングの再確認、同時に景観も楽しみつつ、自分は順調に船越ノ頭に到着。 雲に遮られる時間が長くなってきて、稜線上では暑さは全く無くて体感的にはかなり快適だ。 船越ノ頭から振り返ると、少し遅れてalfonsさんも登ってくるのが見える。 ここから先の景観ももれなく見たいが、坂の上にたくさん本当の雲が沸きだしたので、 雲が切れるのを待つのと、alfonsさんとの間合いを縮めるためにここでも時間調整を行う。 到着したalfonsさんと今後の行程について話し合う。 結論から言うと、もう少し様子を見ながら、とりあえず小蓮華山まで行ってみようということになった。 自分が小蓮華山へこだわりを持っていることはalfonsさんも理解されており、 お互いにそれぞれ気を遣いながらの行程継続判断だった。 自分が心配したのはやはり天候悪化であったのだが、自分達の思いが天に通じたのか、 結果からみれば最も雲行きが怪しくなったのはこの船越ノ頭辺りとなった。 13:25 船越ノ頭出発 行程継続を決めたものの、お互いにペースを合わせるのは無理ということで、 引き続きもう少し小休止を行うalfonsさんを残して、自分だけで先行して出発することにする。 |
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そして「坂の上の雲」の尾根へ 継続を決めた判断は今回は正解となった。 続々と湧いていた雲だったが、比較的あっさり切れてきて小蓮華山の壮麗な山容が再び眼前に広がってきた! ちょうど少しだけ雲が残って、本当に「坂の上の雲」の状態だ!! この時、自分の頭の中ではこみ上げる感動と共に、 ♪ Stand Alone が再生されていたのは言うまでもない。 ちなみにドラマのエンディングではホタルのような光がトラックの周辺を浮遊していたが、あれは全てCGで合成したものという。 前方の小蓮華山を見やりつつ、一旦コルへ20m程度下っていく。 |
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小蓮華山へ向けて ひたすら坂の上の雲を目指して登り続ける。 船越ノ頭から小蓮華山山頂までの標高差は数値で見ると150m程しかない。 エンディングでもおなじみの景観の稜線だが、TVで見る限りでは緩やかな登りと感じていた。 しかし実際に小蓮華山へ取り付くと見ためよりも登り応えがあった。 朝からの疲労の蓄積と普段より重い荷の影響もあると思う。 後から振り返ってみれば、調整等でザックを背負っていた時間が余計に増えたのが響いてきたと感じる。 山と高原地図によると白馬大池から小蓮華山までの所要時間は2時間。 これも念頭に入れて行程の進み具合を推し量りつつ登っていくこととする。 |
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ひたすら坂の上の小蓮華山山頂へ向けて 時々雲が通ることもあるが、登るにつれて天候ははっきりと好転してきた。 後を振り返るとalfonsさんも少し遅れて登ってくるのが見える。 下方から見上げていたイメージからすると、小蓮華山山頂まではさほど遠くない気がしていた。 しかし登っていくとなかなか見えているはずのピークに辿り着かないと感じる。 掴めそうでなかなか掴めないもどかしさを感じる登りだった。 もしかしたらこの感覚が「坂の上の雲」のドラマのイメージに合っていると考えて エンディングの背景に選ばれたのだろうか、というのは深読みし過ぎだろうか。 |
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14:21 小蓮華山山頂手前にて白馬岳を垣間見る 山頂に辿り着くまで地形的に特徴が少ないからか、ずっと同じところを歩いているような感覚だった。 しかし、今度こそ間違いなく小蓮華山山頂だろうかという雰囲気になった時、 左奥の雲が切れ始めてきて、稜線上に乗ってからでは初めて白馬岳が姿を現した。 白馬岳を見て今日の残りの行程、及び小蓮華山山頂への距離感も掴むことが出来て俄然元気付けられた。 ちなみに小蓮華山山頂は白馬大池から始まる行程後半部分のちょうど中間点に当たる。 そこまでの情報を得てから、小蓮華山山頂へ向けて最後の登りにかかる。 |
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14:27 小蓮華山山頂(2,766m)到着 ようやく小蓮華山山頂に到着!! いろいろあって長く感じられた登りだったが、 終わってみれば山と高原地図どおりの所要時間だった。 ようやく憧れの「坂の上の雲」の先の光景を見て、なんともいえない思いがこみ上げてくる。 小蓮華山は後立山連峰の中で唯一山岳信仰の対象とされていた山という。 山頂に突き刺さった鉄剣によって、ここが神聖な領域であることを肌で感じることが出来る。 また、山頂は数年来、崩壊の危機があるということで立ち入りが規制されている。 とはいうものの、数メートルの距離で山頂に立てているので気持ちの上で全く問題はない。 なお小蓮華山は新潟県最高峰の山でもある。 ここも行程後半の要所ということで、ぜひalfonsさんと共にピークに立っておきたい。 山頂での滞在時間も確保したいので、alfonsさん到着まで時間調整に入る。 |
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小蓮華山山頂にて 小蓮華山山頂から坂の下の雲を眺める。稜線上を登ってくるalfonsさんもまもなく山頂に到達しそうだ。 稜線上ではどこを歩いていてもお互いに視認出来ることが、ペース配分や安否確認?に大いに役立った。 まもなく到着したalfonsさんと共に小蓮華山山頂到達の喜びを分かち合うと同時に大休止に入る。 と同時に白馬岳への残りの行程を確認する。山と高原地図によると、小蓮華山から白馬岳までの所要時間は1時間30分。 なお白馬岳まで辿り着ければ白馬山荘はもう目の前なので、とにかく山頂までの所要時間を基準に考える。 もう15時前だが、どうにか無事に辿り着けるだろうか。 続けて地形図を確認して、今後の詳細な地形を確認する。 山と高原地図を広げている方は時々見受けられるが、地形図をお持ちの方はなかなか見かけない。 小蓮華山山頂で横に居られた埼玉から来られていた方々には、地形図を見て懐かしいな〜!と喜ばれた。 これから自分達と同じく白馬山荘まで向かわれるようで、午後遅い行程を共にする心強い先行者となっていただけた。 |
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15:04 alfonsさんと共に小蓮華山山頂を出発 時間さえあれば本当にいつまでも居たくなる山頂だが、15時になったのを機に出発することとした。 前述のパーティーの方々は既に出発され、自分達が最後に山頂を発つこととなる。 小蓮華山から最初の30分は標高差約90mの緩やかな下り基調。 この区間は二人同じペースでも無理なく歩けるだろう。 |
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荒涼とした雰囲気の稜線歩き 小蓮華山まで続いていた登りから一転、殆ど高低差の無い快適な稜線歩きが続く。 この区間においてはalfonsさんも快調そのものだった。 右手の西方からは雪倉岳、鉢ヶ岳の稜線が近づいてきて、行程の進み具合を感じ取ることが出来る。 高高度の稜線を歩いていて、いつも以上にのどが渇くと感じた。 空気がからっとしていてそれはそれで快適なのだが、稜線上は強い日差しを遮る木陰も皆無。 おまけにしゃべりながら歩いたりすると、本当に体から水分がどんどん失われる環境と思う。 がぶ飲みは避けてハイドレーションシステムで小分けに効果的に水分補給することが大事と思う。 ハイドレーション(1.5L)+水筒(1L)を背負っていたが、今日の長丁場の行程ではこれでもギリギリだった。 後から思えば白馬大池山荘で補給させていただいたら、気持ち的にゆとりを持てて良かったかもしれない。 |
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更に続く白馬岳へ向けての稜線歩き |
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15:38 2,670m+コル 小蓮華山から約30分かけて白馬岳までの間の最低コルに辿り着いた。 雪倉岳方面から伸びてきた尾根は眼前で主稜線と合流する。 眼前からは白馬岳へ続く登りが始まっていることもあって、ここで小休止をとっていくことにする。 ところで自分の読図の読み違いで、この時はこの2,670m+コルが三国境と思ってしまっていた。 雪倉岳へ向かうらしいルートが分岐しているが、道標が全く無くて変だなとは思った。 間違いに気付くのはこの少し後に本物の三国境に辿り着いた時。 三国境を基準に残りの行程を読んでいたので、読み誤りはペース配分と精神衛生上良くない影響をもたらす。 この時は疲れもあったが、まだまだ自分の読図は詰めが甘いと反省しきりだった。 |
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15:55 三国境(2,751m) 2,670m+コルからしばらく登ってきて、今度こそ本物の三国境に到着。 その名の通り、ここは新潟、長野、富山の3県の境界線が交わっている要衝だ。 しかし自分のイメージとは違い、尾根の登りの途中にある分岐だった。 眼前にはまだ山頂までは見えていないものの、引き続いて厳しい場面を想像出来る岩峰がそびえる。 山と高原地図によると、この三国境から白馬岳山頂までは1時間かかる。 この間は終始登りが続くので、今日の長丁場の行程もいよいよ佳境だが、 読図の読み違いによって生じた形となる延長部分の登りも含めて、かなり気合を入れ直さなければならない。 alfonsさんにも三国境の位置の読み誤りのお詫びと、あと1時間で山頂到達という残りの行程をはっきりお伝えして元気付けておく。 2,670m+コルから連続する登りのために、三国境からは再び自分が先行することとなった。 次にalfonsさんと合流するのは白馬岳山頂に到達してからとなる。 ちなみにこの日から約3ヶ月前にここで遭難事故が発生している。 この際のパーティーの方々も白馬山荘を目指されていた。 積雪の有無や気象条件は大きく違うが、 無雪期であっても白馬岳を越えるルートは決して楽なものではなかった。 |
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16:09 小蓮華山遠望 三国境からの登りは疲れてきた身には相当険しく感じたが、そんな時に元気付けられたのはこの絶景だった! 小蓮華山まできれいに晴れ渡り、まさに雲上の別世界を見る形に。 白馬大池側から見る小蓮華山も素晴らしかったが、白馬岳側から見ると更に秀麗さが際立つようだ。 白馬岳山頂到達まではまだ間があって気は抜けないが、今日の行程は終盤に入っていることを実感するには充分な光景だった。 なお少し分かりにくいが、眼下には後から登ってくるalfonsさんが大きい緑色のザックと共に写っている。 この後もあまり離れ過ぎないように気を配りつつ、白馬岳山頂を目指すことにする。 |
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16:09 雪倉岳遠望 上記の写真と同地点より撮影。北西へ伸びる別の尾根を眺めた絶景。 こちらの尾根もいずれ辿ってみたい。 湧き上がる雲が夏山を感じさせるが、稜線上が雲に巻かれる前に 早く山小屋に着かなければいけないのが今の自分達の置かれた立場。 ということで、単にのんびり眺めていて良いという景観でもないかもしれない。 |
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なかなか登り応えがある区間が続いて、三国境から見えていた範囲内では最高所にまで到達する。 しかし、まだ時間はそんなに経っていないので、到達前からこれはニセピークだなというのは見当が付いた。 直後このニセピークまで登り付いた時、まだまだ先は長いことを肉眼で確認することとなる。 後ほど改めて地形図を見ると、白馬岳山頂に到達するまで数箇所のニセピークを通過する様が読み取れる。 しかしこの時には疲れと焦りからか、読図が疎かになってしまった感がある。 結局、なかなか山頂に辿り着かないという思いになり、ペース配分的に好ましくない影響をもたらして余計に悪循環だ。 読図は横着して手抜きするべきものではないことを再認識する登りとなった。 |
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16:25 旭岳を見やりつつ白馬岳山頂を目指す 最初のはニセピークの可能性が高いと考えていたが、この次のピークはどうだろうか。 所要時間的には少し早い気がするが、ここから見る限りでは眼前がピーク、という風にしか見えない。 それにしても、登るにつれてますます空は蒼く、遅くはなってしまったものの確実に白馬岳山頂に近づいてきているのは感じる。 |
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16:36 前方、左奥は白馬岳山頂だろうか。 次々とニセピークを通過してきたが、どうやらここから見えている左奥は白馬岳山頂と見て間違いないように思う。 登山開始から行程が9時間近くにも及んで相当に疲れてきたが、最後の力を振り絞る時が来たようだ。 |
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16:45 遂に白馬岳山頂が見えてきた!! 最後のニセピークを登った途端、前方には見紛うことのない白馬岳山頂が遂に姿を見せてくれた!! もう山頂に憩う方々の動作までよく見えている。 今日の長かった行程を思い返しつつ、白馬岳山頂へ向けての最後の登りを楽しむ。 16:55 白馬岳山頂(2,932m)到着!! 山と高原地図どおりに、三国境からちょうど1時間で遂に白馬岳山頂に到達した! 後続のalfonsさんもまもなく山頂から見える範囲に現れ、ほんの数分遅れで山頂に到達! 栂池からの長い行程だったが、二人して無事に白馬岳山頂に到達出来た時の達成感と満足感は今だかつてないものだった!! 今日の行程の最終目的地である白馬山荘はもう至近距離にある。 天候も引き続いて問題ないようだし、ザックを下ろして心ゆくまで白馬岳山頂での時間を楽しむことにしよう。 |
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白馬岳山頂(2,932m) 初めての3,000m級の山頂からの景観! alfonsさんと共に、もうただただ感動するばかりで、一日の疲れも吹き飛ぶようだった♪ 白馬岳山頂は東の長野県側が崖となっており、西の富山県側は緩やかという非対称山稜という特徴的な地形を成している。 もちろん展望は360度開放。好天で雲さえなければ全方位を見渡すことが出来る。 この時は下方に見事な雲海が湧いていて、小蓮華山がまるで島のように見えた。 小蓮華山も充分高山といえるが、3,000mに近い白馬岳から見るとかなり低く感じられる。 栂池からまる一日かけて歩いてきたご褒美としても、この絶景はそれに余るものだと思う。 三角点「白馬岳」は、山頂にある方位板の横に位置する。 乗鞍岳と小蓮華山の三角点と違って、堂々とタッチ出来る。 一等三角点だけあって、どっしりと大きくてすごく重厚なものだった。 |
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小蓮華山遠望、及び白馬岳山頂の標識。 |
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白馬岳山頂の崖上に集う花々。 |
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夕日に照らされた白馬岳山頂はとてもゆったりと時間が流れていた。 山頂に憩う人々もまばらで、白馬山荘をベースに軽装で散策に来られている方も見受けられる。 居合わせた方々とお互いに記念写真を撮りあったり、ゆっくり景観を眺めたりして、 とても良い時間を過ごすことができた。 この時、山頂西側の緩やかな斜面に雷鳥まで現れた!! 自分も撮影を試みたが望遠レンズに交換する間にシャッターチャンスを逃してしまった。 これは先に発見して素早く撮影されたalfonsさんにお任せしよう。 17:36 白馬岳山頂出発 もう時が止まればいいのに、というくらい至福な滞在時間ではあったが、 とりあえず山小屋でゆっくりしたいということで重い腰を上げることにする。 繁忙期の土曜夜泊ということで、予め白馬山荘では個室をチャージしてある。 チャージ料金は8,500円。2人で泊まれば割り勘に出来るので大助かり。 白馬岳山頂から白馬山荘までは下りのみで徒歩10分程度だ。 |
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白馬岳山頂から白馬山荘へ やや岩がごろごろしているが、ジグザグに踏み跡が付いていて比較的歩きやすい。 白馬岳山頂に居た時には雲に覆われて見えなかった杓子岳、白馬鑓ヶ岳だったが、 一日の最後に揃って姿を見せてくれた。先程登頂した白馬岳を皮切りに、 明日は残る二つを登頂して白馬三山縦走を完成させる予定である。 |
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17:54 ようやく白馬山荘(2,830m+)到着 比較的ゆっくりとしたペースで下りきり、18時前にようやく宿泊地の白馬山荘に到着〜!! 栂池自然園ビジターセンター前を出発してから10時間余もかかってしまった。これははっきり言って遅過ぎ。 今日は本当に1日を通して天候に恵まれたからこそ、ここまで予定通りに辿り着けたのだった。 基本的に午後は雲が沸き、天候は悪くなると想定して行動する必要がある、ということは知識としては知っていたのだが・・。 今回は結果オーライとはいえ、次回以降もこのように上手くいくとは限らない。 今回の経験を今後のプランニングに活かしたいと思う。 この長い一日を無事に歩けたのは、ひとえにユピテルをはじめとする神々のご加護があったとしか言いようがない。 この後、白馬山荘で宿泊受付を済ませた際も、もう少し早く着くほうが良いとのアドバイスを山小屋の方からいただきました。 というか、このルートはやはり白馬大池山荘で宿泊して、2日がかりで歩くと更に楽しめるに違いない。 やはり山行の行程も、普段の旅行と同じくゆとりを持たせるのが大事だ。 また、いつの日にか2日に分けてぜひじっくりと歩いてみたい。 〜 終わりに 〜 山小屋泊は8年ぶりで2回目。 体は疲れているはずなのになかなか寝付けず、午前3時に起床するまでに正味4時間程度の睡眠時間だったでしょうか。 でも2畳分のスペースとはいえ、やはり個室は友人と2人きりで寛げるので、予めチャージしていて大正解でした。 ちなみに個室内は掛け布団が不要なほど暖かく、暑がりの自分にはちょっと暑いくらいでした。 明日、5日(日)の天候は晴れで昼から崩れるとの見通し。 今日の反省を踏まえて、さっそく早発、早着を実践します。 とはいえ、今日よりは短い行程なので、容易に実践出来るでしょう。 朝は頑張って午前3時に起きて、至近の白馬岳山頂でご来光を狙ってみましょう。 |